青茶:武夷山地区

武夷岩茶(ぶいがんちゃ)と言われるお茶の産地です。
その茶葉が持つ味わいは名前のごとく非常に力強く、「岩韻」という特有の余韻にその個性を見ることができます。
茶産地としては杭州(龍井の郷)に次ぐ古い歴史を持っており、長い間「貢茶(宮廷献上茶)」の生産地であり、烏龍茶、紅茶の故郷でもあります。

大紅袍

ダイコウホウ
産地:福建省武夷山
ユネスコ世界遺産に指定された名勝武夷山で育まれるのが武夷岩茶。
武夷岩茶の王、それがこの大紅袍です。
力強い味わい、「岩韻」と呼ばれる奥深い余韻、心地よいのどごし、すべてにおいて武夷岩茶の真髄がそこにあると言われます。
大紅袍は武夷山天心岩九龍窠の岩壁に自生していたものが発見され、世に登場しました。現在市販されている大紅袍の茶葉はその原木から枝分けで繁殖させた茶畑のものです。
古くは大紅袍を摘み取る前に香を焚くなどの儀式を行い、読経してから選りすぐりの茶師によって製茶したなど、国をあげての献上茶儀礼もあったほどです。
病に伏した皇后をこのお茶が癒したため、赤い長衣(マントのような上着)が茶樹に授けられたことから「大紅袍」と名付けられたなどの逸話が残っています。
※名前の由来には諸説あります。

鉄羅漢

テツラカン
産地:福建省武夷山
四大岩茶(大紅袍・鉄羅漢・白鶏冠・水金亀)の一つ。武夷の銘茶としての歴史は最も古く、武夷山慧苑岩の鬼洞で見つかったと言われています。
他の四大岩茶と比べ、どっしりとした力強い味わいを持っています。
※同じ名前でも全く違った個性のお茶もあります。

白鶏冠

ハッケイカン
産地:福建省武夷山
四大岩茶(大紅袍・鉄羅漢・白鶏冠・水金亀)の一つ。
生葉がまるで鶏のトサカのような形で白味を帯びていることからこの名が付けられたと言われています。
岩茶らしい力強さの中に香りの華やかさを持つのが白鶏冠の特徴です。
※同じ名前でも全く違った個性のお茶もあります。

水金亀

産地:福建省武夷山
四大岩茶(大紅袍・鉄羅漢・白鶏冠・水金亀)の一つ。
茶樹の根の形が亀に似ていたことから水金亀と呼ばれたと言われています。
※同じ名前でも全く違った個性のお茶もあります。

肉桂

ニッケイ
産地:福建省武夷山
その名のごとく、肉桂(ニッキ・シナモン)の香りを思わせる甘い香りと岩茶らしい力強い味わい、かつすっきりとした後味が特徴です。岩茶のなかでも比較的バランスのよいお茶として多くの人に好まれるお茶で、産地である武夷山のほか、香港などではどのお茶屋にも置いてある代表的な銘柄の一つ。 別名「玉桂」とも呼ばれます。

老欉水仙

ロウソウスイセン
産地:福建省武夷山
樹齢の長い(「老欉」の意)水仙種で作られたのがこのお茶です。
若い茶樹に比べ、味わいにコクと深みを持っています。
水仙種が持つ切れ味のある渋みと岩茶らしい力強さと深みが特長。
※水仙種には「閩北水仙」「閩南水仙」「鳳凰水仙」があり、このお茶は「閩北水仙」になります。

水仙

スイセン
産地:福建省
すっきりした渋みと余韻のある香りが特徴的なお茶。
香ばしくさっぱりしていて、日本では広く烏龍茶という名称で親しまれてきました。
※水仙種には「閩北水仙」「閩南水仙」「鳳凰水仙」があり、このお茶は「閩北水仙」になります。